サウジアラビアの大規模太陽光発電所における産業用ネットワーク構築事例

サウジアラビアの大規模太陽光発電プロジェクトでは、 広い敷地内に分散する制御・監視機器を中央管理システムに接続する ネットワークが求められました。EtherWANはネットワーク計画と システム設計を主導し、コア層・集約層・アクセス層からなる 3層構成の産業用イーサネットネットワークを設計しました。 10GbE光ファイバーバックボーン、 OSPFによる動的ルーティング、 ネットワーク冗長化を組み合わせ、 単一区域で200台を超える産業用ネットワーク機器の 接続と将来の拡張に対応しています。
プロジェクトの背景とネットワークの課題
大規模太陽光発電所では、制御システム、監視機器、 発電管理システムが複数の区域に分散しています。 現場データは中央制御室へ継続的に送信され、 SCADA(監視制御・データ収集システム)や エネルギー管理システムで利用されます。 また、ネットワーク機器には、サウジアラビアの 高温の砂漠環境に適した設計が求められます。
本プロジェクトでは、単一区域だけでも 200台を超える産業用ネットワーク機器を導入しています。 そのため、多数の機器の接続、区域間のデータ伝送、 障害に備えたネットワーク冗長化に加え、 将来的な発電区域の増設を見据えたネットワーク計画が必要でした。
EtherWANが設計した3層構成の産業用ネットワーク
EtherWANは、Phoenix Contactグループおよびシステムインテグレーターと協力し、本プロジェクトのネットワーク計画とシステム設計を主導しました。機器の設置、現場での導入作業、システム設定は現地チームが担当しました。ネットワークは、役割に応じてコア層・集約層・アクセス層の3層で構成されています。
コア層:中央制御室につなぐ10GbE光ファイバーバックボーン
コア層には、EtherWANのEG97000シリーズ 産業用レイヤー3イーサネットスイッチを採用し、 各発電区域を接続するバックボーンを構築しています。 10GbE光ファイバーアップリンクを通じて、 各区域の現場データを中央制御室へ伝送し、 SCADAや発電管理システムで利用できるようにしています。
集約層:発電区域間のルーティングを管理
集約層はEG97000シリーズとIG5シリーズのスイッチで構成し、 各発電区域をコアネットワークに接続しています。 動的ルーティングプロトコルのOSPF (Open Shortest Path First)により、 区域間の通信経路を管理します。 区域ごとにネットワークを分けることで、 トラフィックを分離し、障害の影響範囲を限定しやすくするとともに、 将来の拡張にも柔軟に対応できる構成としています。
アクセス層:現場機器の接続と冗長経路の確保
アクセス層には、EtherWANのIG5シリーズと Phoenix ContactのFL2000シリーズ産業用イーサネットスイッチを採用し、 現場の制御・監視機器を接続しています。 ネットワーク全体では、VRRP (Virtual Router Redundancy Protocol)によるゲートウェイ冗長化と、 RSTP(Rapid Spanning Tree Protocol)による ループ防止・冗長経路の確保を組み合わせ、 機器や回線の障害が通信に及ぼす影響の低減を図っています。

導入効果と今後のネットワーク拡張
3層構成のネットワークにより、分散する現場機器を 中央管理システムに接続し、単一区域で200台を超える 産業用ネットワーク機器の導入に向けた共通の設計基盤を整えました。 コア層・集約層・アクセス層の役割を明確にすることで、 接続、ルーティング、冗長化を体系的に計画できる構成となっています。
今後、発電区域を増設する際にも、事業者は既存の構成を基に 接続、ルーティング、冗長化を計画できます。 本事例は、EtherWANが産業用イーサネットスイッチ、 10GbE光ファイバーバックボーン、ネットワーク冗長化技術を組み合わせ、 大規模太陽光発電所の通信要件と将来の拡張に対応した例です。







